糖尿病とは?症状・原因・種類を分かりやすく解説

糖尿病とは

糖尿病とは

糖尿病は、血糖値の高い状態が続く病気です。
初期には自覚症状がほとんどありませんが、放置すると目・腎臓・神経・心臓・血管に影響することがあります。

ホルモン(インスリン)の作用が低下、もしくは分泌低下が原因で、血糖値の上昇を抑える働きが低下してしまい、高血糖が継続する状態を糖尿病といいます。

厚生労働省の調査では、糖尿病が強く疑われる方は約1,000万人、
糖尿病の可能性を否定できない方も約1,000万人と推計されています。

糖尿病は身近な病気ですが、初期には自覚症状がほとんどないため、
健康診断の血糖値やHbA1cの異常をきっかけに見つかることも少なくありません。

血糖値が高くなる仕組み

インスリンと血糖の関係

【①食事をすると、ブドウ糖が血液中に入る】
食べ物が口から入ると、腸によって食べ物(ブドウ糖)が吸収されます。そのブドウ糖は、血液の中に移動し、この状態が血糖値が上がる状態です。

【② 膵臓からインスリンが分泌される】
膵臓からインスリンというホルモンを分泌します。このインスリンがあることによって、血液から体の色々な細胞にこのブドウ糖を移してくれます。その結果、血液の中にブドウ糖が少なくなり、血糖値が下がるわけです。

【③ インスリンの働きで、ブドウ糖が細胞に取り込まれる】
食べ物が体の中に入ると、どんな人でも一過性に血糖値は上がります。健康な人では、ここでインスリンがしっかり分泌されることによって、血液の中のブドウ糖はすぐに減少します(正常な範囲に戻ります)。しかし、糖尿病の方は、このインスリンがうまく働かない・もしくは少ないため、血液の中のブドウ糖を移動させることができないため、食後も高血糖が続いてしまいます。

血糖値は通常、空腹時で70~110mg/dL程度で推移し、食事後でも140mg/dL未満に保つように調整されています。しかし糖尿病になると、この調整機能がうまく働かなくなり、持続的に血糖値が高い状態が継続してしまいます。

糖尿病の特徴的な症状

糖尿病の初期段階では、自覚症状がほとんどでないことが多いです。
血糖値が高い状態が長期間続くと、ようやく以下のような症状が現れます。

  • 異常な喉の渇き(血糖が高いと、体内の水分が失われるため、脱水状態がつづき、喉が渇きます)
  • 頻尿(水分を多く飲むことにより、トイレの回数が増えます)
  • 体重減少(インスリンがうまく働かないため、糖をエネルギーとして消費できないため、食事をしているのに体重が低下します)
  • 疲労感・倦怠感(エネルギーがたりなくなるため、疲れを感じやすくなります)
  • 視力の低下(血糖が高い状態は、眼の水晶体に悪影響を及ぼします)
  • 傷が治りにくい(免疫機能の低下や血流が低下しやすくなるため、傷の治りが遅いです)
  • 手足のしびれ(神経障害が起こることによって、しびれを感じます)

これらの症状に心当たりがある場合は、糖尿病がかなり進行している可能性があります。早めに医療機関を受診しましょう。

糖尿病の種類

糖尿病は主に以下の4つに分類されます。

①1型糖尿病

1型糖尿病は、自己免疫の以上などによって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンが足りない状態になっている状態です。原因としては、環境因子の他に、遺伝的素因も関わっています。
若年者に多い傾向ですが、大人になってから発症することもあります。糖尿病全体の約5%程度を占めます。

②2型糖尿病

日本の糖尿病患者の約90〜95%がこのタイプであり、インスリン分泌が低下、もしくは、インスリンが効きにくい状態になってしまう(インスリン抵抗性が高い)状態が関係している糖尿病です。遺伝的要因もありますが、食生活が荒れたり、運動不足などの生活習慣や体重過多(肥満)などが関係しています。

③妊娠糖尿病


妊娠中に発症した、糖尿病には至っていないですが糖の代謝に異常が起きている状態です。
※妊娠以前から糖尿病と診断されている方は除外します。

④その他の特定の機序・疾患による糖尿病

遺伝子異常、薬剤や化学物質、感染症、免疫異常などによって引き起こされる糖尿病です。

糖尿病の診断基準

糖尿病の診断は、以下の検査値です

以下のいずれかに当てはまる場合は「糖尿病型」と判定されます。

・空腹時血糖値 126mg/dL以上
・75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値 200mg/dL以上
・随時血糖値 200mg/dL以上
・HbA1c 6.5%以上

実際の診断では、血糖値とHbA1c、症状、再検査の結果などを組み合わせて判断します。
1回の検査だけでは確定しない場合もあります。

糖尿病を放置するとどうなるか

糖尿病を放置するとどうなるのか

糖尿病の怖いところは、初期にはほとんど自覚症状がないまま進行することです。血糖値が高い状態が何年も続くと、全身の血管が少しずつ傷つき、さまざまな合併症を引き起こします。気づいたときにはすでに進行していた、というケースも少なくありません。

合併症は、傷つく血管の太さによって大きく2つに分けられます。

細い血管の合併症(三大合併症)

細い血管が傷つくことで起こる合併症で、糖尿病に特徴的なため「三大合併症」と呼ばれます。

糖尿病網膜症 目の網膜の細い血管が傷つき、進行すると視力低下や失明につながります。日本人の中途失明の主要な原因の一つです。初期は自覚症状がないため、糖尿病と診断されたら、症状がなくても定期的な眼底検査が大切です。

糖尿病性腎症 腎臓の細い血管が傷つき、老廃物をろ過する働きが低下していきます。進行すると、最終的には人工透析が必要になることもあります。実際、透析が必要になる原因の第一位が、この糖尿病性腎症です。当院は腎臓を専門とする院長のもと、尿蛋白や腎機能の変化を早期にとらえ、腎臓を守る治療に力を入れています。

糖尿病性神経障害 手足の細い神経が傷つき、しびれや痛み、感覚の鈍さが現れます。感覚が鈍ると小さな傷ややけどに気づきにくくなり、足の潰瘍や壊疽につながることもあります。三大合併症の中では比較的早い時期から現れやすい合併症です。

太い血管の合併症

太い血管の動脈硬化が進むことで起こる、命に関わる合併症です。血糖値が高いこと自体に加え、高血圧・脂質異常症が重なるとリスクがさらに高まります。

心筋梗塞・狭心症 心臓に血液を送る血管が詰まったり狭くなったりして起こります。糖尿病があると、神経障害のために胸の痛みを感じにくく、発見が遅れることがあります。

脳梗塞 脳の血管が詰まることで起こり、手足の麻痺や言語障害などの後遺症を残すことがあります。

末梢動脈疾患 足の血管の動脈硬化により血流が悪くなり、歩くと足が痛む、傷が治りにくいといった症状が出ます。重症化すると足の切断に至ることもあります。

このように、糖尿病の合併症は生活の質を大きく損ない、命に関わることもあります。しかし裏を返せば、早い段階から血糖値・血圧・脂質・腎機能をあわせて管理することで、これらの多くは予防できます。 だからこそ、症状がないうちからの受診と継続的な管理が重要です。

どんな人が受診した方がよいか

次のような方は、早めの受診をおすすめします。糖尿病は早く見つけて対処するほど、合併症を防ぎやすくなります。

  • 健診で血糖値やHbA1cが高いと言われた
  • 尿糖を指摘された
  • 「糖尿病の疑い」「境界型」と言われた
  • のどが渇く、尿が多い、体重が減ったと感じる
  • 以前に糖尿病を指摘されたが、そのままにしている
  • 糖尿病の治療を自己判断で中断してしまっている
  • 現在治療中だが、通院先を変更したい
  • 家族に糖尿病の人がいて、自分も心配

「まだ糖尿病と決まったわけではないから」とためらう必要はありません。健診結果を持って相談に来ていただくだけでも、今後どうすればよいかが見えてきます。

当院での糖尿病診療

当院では、健診で血糖値・HbA1c・尿糖を指摘された方から、すでに糖尿病の治療を続けている方、通院先を探している方まで、幅広くご相談いただけます。

糖尿病は、血糖値だけを見ていればよい病気ではありません。血圧・脂質・腎機能・体重・生活習慣までを含めて、総合的に、そして長く付き合っていくことが大切です。腎臓を専門とする院長を中心に、合併症、とりわけ腎臓へのダメージを防ぐことを見据えた診療を行います。

数値を管理することだけを目的にするのではなく、患者さん一人ひとりの生活に無理なく取り入れられる方法を一緒に考え、長く続けられる治療を目指します。