トイレのあとに尿がいつまでも泡立っている、その泡がなかなか消えない——そんな変化に気づいて、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。尿の泡立ちは多くの場合、心配のいらない一時的なものです。ただ、それが毎回のように続くときは、腎臓や血糖の状態を映し出しているサインのこともあります。
このページでは、調布市つつじヶ丘駅前内科クリニックが、尿が泡立つ仕組みと、糖尿病とのつながり、そして「どんなときに受診を考えるべきか」を、できるだけ分かりやすく整理してお伝えします。
そもそも、尿はなぜ泡立つのか

排尿の勢いがあれば、健康な人でも尿は多少泡立ちます。この泡は、水面にできる大きめの泡で、しばらく待てば自然に消えていきます。問題になるのは、きめ細かい泡がなかなか消えずに残るときです。
尿の泡立ちが続く背景として代表的なのが、次の2つです。
- 尿にタンパク質が漏れ出ている(タンパク尿・アルブミン尿)
- 尿に糖が漏れ出ている(尿糖)
いずれも、糖尿病と関わりの深い変化です。順に見ていきます。
タンパク尿による泡立ち ― 腎臓からのサイン
腎臓には、糸球体(しきゅうたい)という無数の細かい血管のかたまりがあり、血液をろ過して尿をつくっています。この糸球体はいわば精密なフィルターで、老廃物や余分な水分は尿へ通し、体に必要なタンパク質は血液側に残す仕組みになっています。
ところが、高血糖の状態が長く続くと、この糸球体の細い血管が少しずつ傷んでいきます。フィルターの目が粗くなると、本来は通さないはずのタンパク質が尿へ漏れ出るようになります。これがタンパク尿で、尿の表面張力が変化して、消えにくい細かい泡が立ちやすくなります。
糖尿病によって腎臓が傷む病気を「糖尿病性腎症」と呼びます。ここで知っておいていただきたいのは、腎症のごく初期には、通常の尿検査ではとらえられないごく微量のタンパク質(微量アルブミン尿)から始まるという点です。日本糖尿病学会のガイドラインでは、尿中アルブミンとクレアチニンの比(UACR)を用いて、30〜299mg/gCrを微量アルブミン尿期、300mg/gCr以上を顕性アルブミン尿期と分類しています(日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」第9章)。
<mark><補足・要確認:ここは正確さのために大切な点です。目に見えて泡立つほどのタンパク尿は、腎症がある程度進んだ段階(顕性アルブミン尿期)で現れることが多く、より早期の微量アルブミン尿は「泡立ち」として自覚しにくいのが実情です。つまり「泡立ちがないから腎臓は大丈夫」とは言い切れません。この点を正直に書くことで、かえって受診の必要性が伝わり、医療広告としても誠実な内容になります>
だからこそ、糖尿病と診断された方は、泡立ちのような自覚症状の有無にかかわらず、定期的に尿検査(尿アルブミン測定)を受けることが、腎症の早期発見につながります。一度低下した腎機能を元に戻すことは難しく、早い段階での発見と治療がとても重要だと、同ガイドラインでも強調されています。
尿糖による泡立ち
血糖値が高い状態が続くと、腎臓が血液中の余分な糖を尿へ排出するようになります。これが尿糖です。糖が混じることで尿の性質が変わり、泡立ちやすくなることがあります。また、尿から甘いにおいを感じることもあり、これも見過ごせない変化の一つです。
尿糖は、健康診断で「尿に糖が出ている」と指摘される項目でもあります。指摘を受けたことがある方は、血糖値がすでに高くなっている可能性があるため、一度きちんと調べておくことをおすすめします。
糖尿病以外で尿が泡立つこともあります
尿の泡立ちは、糖尿病以外の理由で起こることも少なくありません。自己判断で決めつけず、続くようであれば原因を確かめることが大切です。
- 排尿の勢いが強かったとき、朝いちばんの濃い尿など、一時的なもの
- 脱水で尿が濃くなっているとき
- 糖尿病以外の腎臓の病気(慢性腎臓病、ネフローゼ症候群など)によるタンパク尿
- 尿路感染症(膀胱炎など)
- まれに、血液の病気(多発性骨髄腫など)
一時的な泡立ちであれば心配はいりませんが、毎回のように細かい泡が立ち、時間がたっても消えない状態が続く場合は、体からのサインとして受け止めていただきたいところです。
こんな方は、一度調べておくと安心です
尿の泡立ちに加えて、次のような点に心当たりがある方は、糖尿病や腎臓の状態を確認しておくと安心です。
- 尿の泡立ちが数日以上続き、消えにくい
- 夜間にトイレへ行く回数が増えた
- 喉がよく渇き、水をたくさん飲む
- 疲れやすい、体がだるい
- 体重が増えてきた、あるいは食べているのに減ってきた
- 血のつながった家族に糖尿病の人がいる
- 健康診断で血糖値・HbA1c・尿糖・尿タンパクの異常を指摘された
これらは糖尿病やその合併症と関わりの深いサインです。当てはまる項目がいくつかある場合は、早めに検査を受けることをおすすめします。
早く気づくことが、腎臓を守ることにつながります
糖尿病性腎症は、日本で人工透析が必要になる原因の第一位を占めています。裏を返せば、糖尿病を早い段階で見つけ、血糖・血圧・尿タンパクをきちんと管理していくことで、腎機能の低下を大きく遅らせられる可能性があるということです。
当院の院長は腎臓を専門としており、多くの総合病院で、腎機能が大きく低下してから受診される患者さんを数多く診てきました。「もっと早く、腎臓が悪くなる前に生活習慣病を診られていたら」という思いが、開業の原点になっています。だからこそ当院では、血糖値だけを追うのではなく、腎臓や血管まで見据えて、糖尿病を早期から継続的に診ることを大切にしています。
調布市で尿の泡立ち・糖尿病が気になる方へ
つつじヶ丘駅前内科クリニックは、京王線つつじヶ丘駅の南口を出てすぐの内科クリニックです。調布市内はもちろん、つつじヶ丘・仙川・柴崎・国領・狛江方面からも通院しやすい立地で、糖尿病や生活習慣病のご相談を承っています。
尿の泡立ちが続く、健診で血糖値や尿タンパクを指摘された、といった方は、どうぞ気軽にご相談ください。まずは尿検査・血液検査で今の状態を確認し、必要に応じてこれからの方針を一緒に考えていきます。ご予約はLINE・WEBから、予約なしでの受診も可能です。
参考文献・出典
- 日本糖尿病学会(編・著)「糖尿病診療ガイドライン2024」第9章 糖尿病性腎症
- 日本糖尿病学会(編・著)「糖尿病治療ガイド2024-2025」
- 日本腎臓学会「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」
