調布 糖尿病の食事療法|食事指導・栄養相談|つつじヶ丘駅前内科

食事療法の重要性


糖尿病に対して食事を気にすることは、血糖状態を改善させ、合併症の発生リスクを抑えるためとても重要なことです。日本糖尿病学会が発行している「糖尿病診療ガイドライン」では、糖尿病の血糖状態改善のために、食事療法が推奨されています。制限をする食事ではなく、バランスの取れた食事を、適切な量食べることが重要です。

エネルギー摂取の目標値は、目標体重×エネルギー係数で計算します。
例えば、身長160cm(目標体重56kg)で普通の身体活動量の場合、1日1680kcal前後が目安となります。この目標量を、1日で摂取するように、朝昼夕食を考えていくことが血糖値改善につながります。

栄養バランスの目安

栄養バランスとして、総エネルギーを100%として、炭水化物は40〜60%、たんぱく質は20%まで、残りを脂質で食べるようにしましょう。
例えば、1日1800kcalの場合、炭水化物225〜270g、たんぱく質90g以下、脂質60gが目安になります。食物繊維は1日20g以上を目標としましょう。塩分も取りすぎは良くないため、食塩は6g未満を目指しましょう。

積極的に摂りたい食品

主食は、玄米・雑穀米・もち麦ご飯が、白米に比べて食物繊維が豊富なためおすすめです。パンについても、【白いものではなく色のついたもの】すなわち、食パンよりも全粒粉パンやライ麦パンがおすすめです。

主菜では、お肉というよりは、魚介類を積極的に取り入れましょう。特に青魚であるさば、いわし等に多く含まれるDHA・EPAは、インスリンの効果を良くする(インスリン抵抗性の改善)につながります。
納豆や豆腐といった大豆製品も、食物繊維とタンパク質が豊富で良いです。
肉類も摂取可能ですが、できれば脂身の少ない部位(鳥むね肉など)を選びましょう。

副菜として、野菜や海藻・きのこなどを選ぶと食物繊維が多く血糖を上げにくいです。

1日の具体的な食事例(1800kcal)

①朝食

雑穀米おにぎり 2個
茹で卵 1個
プチトマト 3個

②昼食

ビビンバ(1/2日分の野菜使用)
キウイフルーツ 1/2個

③夕食
もち麦ご飯 150g
鮭の塩焼き 1切れ
ひじきの煮物

夕食は朝昼よりやや軽めにし、就寝3時間前までに取りましょう。

これで各食600kcal程度になりますので、目標値を達成できます。

食べ方の工夫で血糖値をコントロール

ベジファーストってご存知ですか?最初に、野菜から食べ始め、次にたんぱく質(肉・魚)、最後に炭水化物(ご飯・パン)という順番で食べることによって、食物繊維が豊富なものが先に入り、血糖値を上げにくくします。
また、ゆっくり噛むことで、満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを予防できます。早く食べるクセのある人は、ぜひゆっくり食べるようにしてみてください。

避けたい食品・食べ方

血糖を上げやすいものは、噛まないものです。すなわち柔らかいもの・ジュースなどは噛まないため、すぐに胃などで吸収されてしまうため、血糖を上げやすくなってしまいます。

継続するためのコツ

糖尿病の食事療法は、マラソンですので、短距離走ではありません。満点を目指すのではなく、継続できることを一つでもいいので続けてみてください。意識するだけでも血糖値は変わります。できることから始めましょう。