お酒は飲んでもいい?糖尿病とアルコールとの付き合い方

調布市糖尿病内科 糖尿病とアルコール 運動・生活習慣系

糖尿病のかたは、お酒を絶対飲んではダメ、と思う方も多いと思います。しかし、お酒好きな方が全く飲まないようになるのはなかなか難しいです。結論から言えば、飲酒は確かに血糖値にはおすすめはできませんが、糖尿病だからといって完全にお酒をやめなくて良いとお伝えしています。適度な飲酒は、ストレス解消や人間関係の円滑化に必要な場合もありますし。

なので、お酒と血糖の上手な付き合い方を知っておきましょう。

アルコール摂取は糖尿病の発生を抑える

実は、意外ですが、適切な飲酒による適量のアルコール摂取は糖尿病の発生を抑えると考えられています。1日あたり20~25g程度のアルコール摂取が良いとされています。

1日あたり20~25gのアルコール量は、ビール500ミリリットル、日本酒1合程度です。

しかし、これ以上のアルコールを摂取した場合は、ご想像の通り、肝臓や膵臓に悪影響を及ぼします。さらに飲酒によるおつまみなどによるカロリー過多は、血糖値を上げるので食べ過ぎや飲み過ぎには注意が必要です。

実際の糖尿病患者さんの認識(飲酒状況)

研究によると、男性糖尿病患者さんでは、約40%の患者さんが過剰な飲酒量を摂取していることがわかりました(糖尿病47巻2号、2004年)。この研究では、なぜ飲酒を多くしてしまうのかも言及しており、自分が健康であると認識している人が多いことがわかりました。つまり、自分はまだ大丈夫!糖尿病になりかけているだけで、糖尿病ではないという考え方の人ほど、飲みすぎてしまう傾向がありました。

自分の体の状況をしっかり認識しましょう。

飲酒による血糖値の変化

アルコールを摂取すると、飲酒した直後には血糖値が上昇します。しかし実はその後に血糖値が下がることがあります。これは、肝臓がアルコールを分解させることを優先している影響で、糖尿病の状態が改善しているわけではありません。

さらに、アルコールの過剰に取り続けると、肝臓や膵臓に病気が発生します。いわゆるアルコール性肝硬変やアルコール性膵炎を発症すると、血糖値を調整する機能が低下するため、更に血糖値は悪くなる傾向があります。

糖尿病の人が安全に飲酒するために

血糖値を上げたくない方は以下のポイントを守りましょう

①アルコールは適量にしましょう
アルコールは1日ビール1缶までにしましょう。

②食事と一緒に飲酒をしましょう
何も食べないと、かえって低血糖になります。魚や野菜と一緒に飲酒をするようにしましょう

③寝る二時間前には飲酒をやめましょう
夜間に低血糖になりやすくなるため、飲酒をしてすぐに寝ることはやめましょう。

④水分摂取を積極的にしましょう
アルコールは利尿作用があるため、体が脱水になりやすいです。水分摂取をおこない、2日酔い予防も行いましょう。

正しい飲み方を覚えて、お酒とうまく付き合っていきましょう。